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興味の赴くまま、思想に拘らず

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先日放送された「その時~」奇兵隊編に絡めて、そのあたりの自分の知識のまとめと感想を。

ちょいと長いのでたたみます。

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私事から始めると。
実は私、中・高と日本史が大の苦手で、白虎隊と新選組のつながりについて
詳しく知ったのは本当につい最近のことである(恥) と言うより同時期であったことすら判っていなかった。 
だから勿論、奇兵隊についてもその名前と中心人物くらいしか知らなかったりする。
前回の会津戦争については結構、勉強した後に見たので如何せん物足りなさを感じたのだけど
今、山川健一さんの「幕末武士道、若きサムライ達」を読んでいて、
ちょうど高杉晋作と奇兵隊のエピソードが出てきたところだったので相互を補うような感じで見ていた。
まさに「百聞は一見にしかず」

文久3年、浪士組が壬生で産声を上げて間もない頃。
関門海峡に面していた長州藩では近海を通る外国船の脅威に曝されており、
外国商船を打ち払うも、報復され、諸外国勢力の凄さを目の当たりに見せ付けられてしまうことから
高杉晋作が打ち出した新しい戦力部隊「奇兵隊」が結成される。
今回は立役者:高杉晋作ではなく「武広九一遜」という一人の隊員の目線から
奇兵隊の行く末を追うというのが番組の趣旨だった。

この奇兵隊「志と力量があれば身分は問わない」という条件で入隊者を募っていて
何だか新撰組と相通じるものがある、というか他にも組との共通点がいくつかあるように思えた。
番組では触れられなかったけど、実際、隊内では身分階級の差がはっきりと付けられていたようで。
そこはやはり、たまたま(←語弊あり?!)会津藩のお抱えとなった新選組とは違って
「長州人」のみによって形成されている「長州藩」の組織だからなんだろうな。
奇兵隊だけでなく商人の集団「朝市隊」だとか僧侶の集団「僧練隊」だとか数々の庶民を中心とした
部隊が立ち上がる。それだけ武士というものの(或いは幕府の)力が衰えていたということなんだろう。

京都で池田屋事件だの禁門の変だのが起こった後、長州は再び外国からの攻撃を受け
そこで奇兵隊が活躍する。高杉晋作が和睦の交渉にあたり成功するも、今度は幕府の「長州征伐」
こうしてみると長州も本当に大変な目にあっているわけで。
勿論、私は近藤先生が一番好きだと胸を張って言えるけど、それでも切ない気持にさせられる。

幕府の「長州征伐」に対し、長州藩内は「恭順」を唱える保守派と「討幕」を目指す正義派とに
分かれることになる。長州藩の意向としては「幕府に対する恭順」であったけれども、自分たちの
土地を、郷土を守りたいという庶民の気持がイデオロギーとなり、後の奇兵隊がたった1000人で
2万もの幕府軍に打ち勝つという成果を生みだすこととなる。
「一所懸命」という言葉があるけれど、外国勢力と幕府軍との板ばさみになった長州藩が
その言葉の通り自分たちの土地を守り抜けたのは、武士階級の大様さというか不甲斐無さに
見切りをつけた農民・町民の強い決意の元に成り立っているように思えた。

番組では名前が出てこなかったけど奇兵隊の総督に「赤根武人」という人物がいて、
彼は藩内の紛争を避け、幕府の征長軍から藩を守るため奔走するけれど
結局、奇兵隊が幕府軍に勝利したことによって裏切り者の名を受けて処刑されてしまう。
この話を知って、その姿を思わず近藤先生に重ねてしまった私である。

とは言え、奇兵隊も華々しいエピソードだけでは終らず、戊辰戦争を経て明治新政府が誕生すると
その活躍にもかかわらず政府軍からは外されてしまうことに。結局、階級がものを言う体質から
抜け切れなかったということなのか。強制除隊に従わない隊士たちは斬首の刑に処されてしまう。
その決断をしたのが、長州のために奔走した木戸孝允というのが何とも皮肉な話で。
そんな結末を辿るのも何だか組に似ているような気がしたな……。

やはり内乱というのは、どの局面を見ても理不尽さを拭えないものである。
嗚呼、幕末って奥が深い。
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自己紹介:
新撰組好き歴、早5年ほど。
近藤局長がご贔屓。
心のバイブルは「近藤勇白書」(池波正太郎著)
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